すこぶる便利なのに、嘘みたいに知名度が低いソフトVectorMapMakerについて紹介する。
VectorMapMakerとは?
VectorMapMakerとは、前回紹介した国土地理院基盤地図情報をIllustratorやCADで扱えるようにする魔法のソフトである。
上記の通り、VectorMapMakerがあれば、国土地理院提供の基盤地図情報がIllustratorで扱える。(記事アイキャッチ画像は香川県高松港の地図)
写真ではレイヤーが1つのレイヤーにまとまっているが、実際には行政区画や建物外周線など情報ごとにレイヤーを分けてダウンロードできる。
どんな事ができるの?
例えばこんな地図とか
こんな地図とか、
こんな図とか
こんな図とか
こうした地図を作るために必要な、線画データをダウンロードできる。
(着色・加工はIllustratorとCADによって自前で行う。)
▼ダウンロードしたてのデータはこんな感じ。
VectorMapMakerのメリット
VectorMapMakerの特徴は以下の点である。
- 基盤地図情報を元にしているので形はもちろん縮尺も調整できる正確さ
- 標高線や行政区分や軌道線にまで対応した圧倒的で緻密な情報量
- 膨大な線から必要な線だけを選んで出力できるうえ、それらすべてが線種ごとにレイヤーわけされている利便性
- dxf.形式出力対応のためIllustratorだけでなく各種CADでも利用可能
同様に基盤地図情報を扱えるソフトとして本ブログでは基盤地図情報ビューアを紹介している。
このソフトとの大きな違いは主に二点ある。
1つは、ベクターデータなのでIllustratorやCADで扱えるデータである点。
これは前述の通り。
もう1つが標高線・国土情報・統計データなどを反映させたより多様な地図表現を可能にする点だ。
とりあえず閲覧・印刷だけしたい、地図の画像だけダウンロードしたい方(1回生など、Illustratorを持ってない人)は、下記のページの方が参考になる。
それでは、いよいよVectorMapMakerを活用する具体的な方法に話を進めよう。
VectorMapMakerの利用ロードマップ
さて、VectorMapMakerを利用し、Illustratorで扱えるデータをダウンロードするためにはどのようなステップが必要なのか?
下記の図が、VectorMapMakerを利用するために必要なロードマップだ。
な、長い……
そう、実はVectorMapMakerは高機能故にダウンロードするデータ量や設定項目数がとても多く、一つ一つ丁寧に解説すればこんなにも長くなってしまう。
(ただし上記すべてを毎回行うわけではない。実質的に必要なステップはもう少し少なく済む)
大まかに流れを説明すれば以下の5ステップとなる。
- VectorMapMakerをダウンロードする
- 必要な地理データをダウンロードする
- VectorMapMakerで基本的な設定をする
- VectorMapMakerで詳細な設定をする
- DXFデータの出力・活用を行う
以下、本ブログではこの5ステップに従い、VectorMapMakerの利用方法を紹介していく。
まずはダウンロードからだ。
ダウンロード
ダウンロードは下記リンクから。
[https://www.vector.co.jp/soft/winnt/writing/se479527.html:title]
もちろん無料だし、利用者登録さえいらない。
[ダウンロード]リンクを押すとダウンロードページに飛ばされる。
ダウンロードしたvmm.zipというファイルを解凍すると、下記のようなソフトやフォルダが含まれている。
①②③はネットからダウンロードした生データを保存するフォルダ、いわば素材を入れておく箱だ。
そして④は、加工したDXFデータを保管するフォルダである。
(ちなみに、この4つの保存先・書き込み先は任意のフォルダに変更できる。)
⑤のAllUnzipはダウンロードしたzipデータを解凍するソフトだ。
また、⑥はVectorMapMakerによって作成したDXFデータを閲覧・確認するソフトである。
そして⑦がメインのVectorMapMakerソフトだ。
⑧は公式のマニュアルである。
NEXT STEP
では次に、各種地理データをダウンロードする方法について解説する。