建築学科ごっこ

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Photoshopで建築パースと敷地写真を合成する方法を実例で解説

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使用ソフト

Photoshop

ArchiCAD

 

ArchiCADにより作成した建築モデル画像を、フリー素材の背景と合成する方法の紹介です。

 

 

 

 

 

完成品画像

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完成予想図

 

 

STEP0:準備

今回の合成に使用したデータを紹介します。

 

まず、合成する背景写真の候補を用意しておきましょう。

合成先の写真を見ながら、パースが合うように画角を調整し、レンダリングしてください。

また、合成の際に利用する樹木や人・空を舞う鳥などの添景、全体の雰囲気を整えるためのテクスチャ画像などを用意します。

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今回は解説のため、フリー素材サイトからお借りしました。

(写真素材はぱくたそ様、GraphicsFuel様、及び建築パース.com様より)
実際には対象敷地の写真を自分で撮影したものを背景として使うことになると思います。

 

 

背景画像を選択・撮影するときに注意が必要なのが太陽の位置です。

 

この画像は写真内に太陽光は写っておらず、太陽の方向を特定できるほどはっきり伸びる影も写っていません。

これは元画像が比較的曇天で太陽光が散乱し、空間全体にまんべんなく光が降り注いでいるためです。

こういう画像は光の位置をあまり気にせずパースを作成してもおかしなことにはなりません。

 

逆に、太陽の位置がはっきりするような背景画像の場合、影の方向やハイライトの位置が矛盾しないような加工を意識する必要があります。

 

 

 

 

 

次に、みなさんが作成した建築パース画像や模型写真です。

今回はサンプルとして下記の筆者作成画像を使います。

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建築画像(ArchiCADより筆者作成)

 

 

 

あと、ブラシツールに草のブラシが無い方は、適当なフリー配布のブラシをダウンロードしてPhotoshopに登録してください。

Photoshop brush grass」とかで検索すればいくらでも見つかります。

なければ自作でも構いません。

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 (ダウンロードしたのが昔なので、どこからダウンロードしたのか忘れてしまいました。ご存知の方いたらぜひ教えてください。)

 

以上で準備は完了です。

 

 

STEP1:建築モデル画像を切り抜く

ArchiCADで作成した建築パース画像の背景をマスキングします。

対象となるパース画像をPhotoshopで開き、まず適当な名前で保存します。

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加工前

 

各種範囲選択ツールを用いて建築部分だけを範囲選択します。

今回の建築はほとんど直線で構成されているため、[多角形選択ツール]で外周をクリックしながら選択していくのが最適でしょう。

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多角形選択ツール

 

 

 

ぐるりと囲むように、建築の周りをクリックしていきます。

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範囲を選択し終わったら、画像をマスキングします。

[レイヤーパネル]の日本国旗のようなアイコン[レイヤーマスクを追加]をクリックしてください。

選択した範囲外が透明になります。

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レイヤーマスクを追加

 必要に応じて、アルファチャンネルに選択範囲を登録しておきましょう。

 

この段階ですでに

「選択範囲?レイヤーマスク?アルファチャンネル???」

という方は、下記の記事を御覧ください。

www.gakka-gokko.com

 

 

 

さいごに、ダウンロードした背景素材を配置します。

 

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完成……?

 

べつにこれで完成と言い張ることもできるのですが、流石に地面と接触している部分が嘘くさくて、いかにもPhotoshopで合成しましたという画像です。

 

そこで、2つの方法を使って、合成を自然に見せたいと思います。

 

 

STEP2:レイヤーマスクと草ブラシによる境界の調整

 

1つ目は、ブラシツールを活用し、でレイヤーマスクの境界線を自然に切り抜く方法です。

 

まず下図のように[レイヤーパレット]の[レイヤーマスクのサムネイル]をクリックして選択した状態にします。(左図)

この状態で[ブラシツール]から、ダウンロード済みの草を描くブラシを選択すると、カラーパレットがモノトーンしか選べないことがわかります。 (右図)

 

 

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この状態のまま、画像上で線を引くと、ブラシで黒く塗った部分のレイヤーマスクが解除され、背景画像が見えるようになります。 

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ブラシツールでレイヤーマスクを調整

ドラえもんの道具に「透明マント」というものがありますが、

レイヤーマスクをブラシでなぞる行為は、さながら塗った箇所が透明になり、背景が見える「透明ブラシ」と言えるでしょう。

 


この機能を活かし、接地している部分の輪郭をなぞり、草の形に建築を切り抜きます。

 

背景画像の地面の凹凸をよく見て、凸になっている箇所と建築が接触していそうな箇所をブラシでなぞり、接地しているように加工します。

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接地部分を自然になるように、ブラシでなぞる

 

拡大すると下記のような具合。

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拡大図 建物の下部が草で覆われたように見える

 

 

STEP3:ブラシツールによる影の作成

次に、今度は地面の凹凸の凹部分に影を加えます。

 

レイヤーパネルの[レイヤーのサムネイル]をクリックし、通常の描画モードに切り替えます。

ブラシツールを選択し、ぼかしの入った普通のブラシ(ソフト円ブラシなど)を選択します。

(カラーパネルが普通の色に戻ったことを確認してください。)

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黒い色で適当な透明度・ブラシサイズを選択したあと、地面と建築物の間に隙間が生じていそうな箇所を塗り、影を再現します。

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ブラシにより影を再現する



この二手間を加えただけでも、かなり自然な雰囲気になりました。

 ぜひ下の二枚の画像を見比べてみてください。

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before

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after

 

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before after 比較用

 

STEP4:添景の合成

 最後に添景を合成します。

STEP2で建築と背景を合成したときと同様に、樹木の根元部分(地面と接触している部分)をブラシでなぞり、草に埋もれる感じを表現しましょう。

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植栽添景 合成後

 

今回は樹木のみですが、お好みで空を飛ぶ鳥や、その空間で過ごす人々、柵、家具などを貼り付けます。

 

しかし、植栽の色が芝生の色や背景の山に比べて鮮やかすぎて、すこし違和感がありますね。

そこで最後に、植栽の色を落ち着いたものに調整します。

 

 

STEP5:クリッピングマスクと色調補正

Photoshopで画像の色味を調整する手法はたくさんありますが、今回は植栽レイヤーのみの色を落ち着かせる事が目的です。

そこで、植栽のレイヤーに、[調整レイヤー]と呼ばれる色をコントロールするレイヤーを重ねる手法を取ろうと思います。

 

 

まず[色調補正]パネルを開き、[色相・彩度]のアイコンをクリックします。

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すると、[レイヤー]パネルに[色相・彩度1]という名前の新しい特殊なレイヤーが出現します。

 

 

また、自動的に[属性]パネルが開くと思います。

属性パネル内の[色相][彩度][明度]などの各種パラメーターを変更してみてください。

画面の色が様々に変化することがわかります。

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この円をに等分したようなアイコンをもつレイヤーを[調整レイヤー]といい、そのレイヤーより下のレイヤーの色や明るさ等に影響を与えます。

 

 

 

さて、今回はこの調整レイヤーの効力を、直下の植栽にのみ適用したいので、最後にクリッピングマスクをかけます。

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 これで、調整レイヤーの影響が、植栽レイヤーのみに限定されます。

 

 

 

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調整レイヤーにより、植栽レイヤーの彩度を落とす

同様の手順を建築物や背景に対して行えば、それぞれの色や明るさを変更することも可能です。

 


ここの色をどのくらい調整するかは、個人の好みや、慣れ、経験、最終的にどのようなパースを表現したいかによって変わります。

何枚ものパースを作成し、各自自分好みの色調補正ノウハウを構築してください。

 

 

 

 

次回の記事では、もう一歩踏み込み、背景と建築をなじませてなおかつドラマチックな演出を加える方法を紹介します。

 

 

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