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建築学生が業界の人脈を獲得するための3STEP

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これは何らかのスキルで副業をしたり、将来独立したいと思っている学生のための手引書だ。

学生の中には、大学生はもちろん中には高校生ですら、すでにミニ事業主として働いている人や、デザイナー・ライター・イラストレーター業を副業として行なっている人もたくさんいる。

 

しかし社会人経験のない学生では、技術はあるけれどもどうすばファンや顧客やパトロンを見つけられるのかがわからないという人も多いだろう。

 

この記事は、そういう学生を対象とした、自分の活動をローコストで宣伝する方法を具体的に紹介する記事である。

 

 

 

 

人脈獲得の基本的な発想

人脈(ここではあなたのファンや顧客候補や師匠や親方のこと)を獲得する方法とは、簡単に言えば「私はこんな事ができる人間です。あなたがお困りの際はお手伝いします」と営業をかけることだ。

 

仕事は確率で獲得するものなので、あなたの業務内容を把握している人の母集団を増やせば、自然と依頼は回ってくるようになる。

(よほど人間的に欠点があるのならば話は別だけど……)

 

故に大切なのは、周囲の人間にあなたの特技や取り組みを常日頃から営業して置くことだ。

 

 

 

営業というと、「ほしいと思っていない人にも無理やり商品を買わせる行為」を連想する人も多いかもしれない。

しかし、初対面の人や、かつての知り合いに「今困っっているから、俺を助けろ」というような売り込み方は、営業ではない。

 

 

たとえば、喉の渇いていない人間に無理にコーラを売りつける行為は営業ではなく詐欺か脅迫である。

しかし、普段から「もし喉が渇いたら私に声をかけてね」とアピールしておくことは、商売人として適切な行為である。

 

同じように、イラストを書いてほしいと思っていない人間に「イラスト書いてあげるからお金頂戴」というのは押し売りである。

しかし日頃から、「イラスト書いて欲しい人がいたら、私に声をかけてね」と伝え続けるのは正当な営業である。

 

 

 

つまりここで言う営業とは、ここではあなたがこれまで出会った知り合いや、これから出会う人たちに、

  • 自分に何ができて、
  • 自分はいま何に取り組んでいるのか

をそれとなく知らせる方法を意味する。

 

 

具体的な手順

STEP1:まずは成果物がないと始まらない

コーラがなければコーラを売ることはできない。

同様に、とにかくコンテンツ・実績・アウトプットがなければ営業も人脈もクソもない。

 

未経験の人がコンテンツを積み重ねる方法は大きく「習作」「知人の依頼」「コンペ」の3つがある。

 

習作を公開する

最も手っ取り早い方法は、自分が自分のクライアントになることだ。

自主課題を適当に設定し、それに対する創作や活動をまとめ、習作をたくさん作れば、それはもうあなたの活動実績である。

最悪模写でも二次創作でもだれかの劣化コピーでも構わない。

(もちろん模倣したならその引用元の明記は必須)

 

 

コンペに挑む

ここでいうコンペとは、決められた納期のうちに他者と技量を競い合い、第三者の評価を受ける全てのプロセスを含む。

実績のない人間には絶対に依頼が回ってこないので、それでも仕事を確保するには、懸賞イベントや〇〇大賞などの企画に参加し、実績を積むしかない。

最初は全く箸にも棒にもかからないだろうが、その失敗作も貴重なあなたの実績となる。

 

ある意味では、最近流行のクラウドソーシングによる仕事探しやオンライン上で自分のスキルを売り買いするプラットフォーム(ココナラランサーズBASEなど)もこの一種だ。

 

 

知人からの依頼をもらう

なにより、まずは最初にして最大のファンである親族・知人を大切にすること。

有名な建築家の処女作も、大抵は自邸か知り合いからの紹介で獲得した仕事であることが多い。

 

くまモンのデザインで有名なデザイナーの水野学の最初の仕事は、友人の結婚式のDM作成*1であったし、

藤本壮介の処女作は、医師である両親に依頼された「聖台病院作業療法棟」*2の設計であった。

 

前者のDMはその後とある雑貨店店主の目に止まり次の依頼へとつながったし、後者の病棟設計は見事SDレビューにて入賞を果たし、伊東豊雄らとの知己を得る契機となった。

実績は積極的に家族や友人に見せてみよう。

 

STEP2:広報・連絡手段を確保しよう

ある程度実績が溜まってきたら、より多くの人に作品を見てもらうツールを拡充しよう。

ここでは、

  • メール
  • SNS
  • HP
  • 名刺 

の4つを取り上げる。

 

いずれも1日あれば作成できるものばかりだ。(名刺は印刷・発行に数日かかるが)

こだわらなければどれも無料でできるので、あまりデザインや統一性は悩まず全部作ってしまおう。

(大したコストじゃないので、気に入らなければ後で作り直せばいい)

 

この段階では、知人友人やリアルに対面の在る人への営業を意識する。

知名度のないうちは、知らない人からの依頼はあまり期待しなくていい。

 

専用メールアドレスを作成しよう

新しくHPを作ったりSNSを作成するためのアドレスを用意しよう。

(普段遣いのメールと分けたい人のみ)

support.google.com

 

アカウントを所得したら、まずは署名欄を設定する。

  • 本名
  • 所属・肩書
  • 連絡先(メールアドレス・電話番号)

に加え、後述のHPのアドレスやSNSアカウントへのリンクも貼っておこう。

運が良ければ、メールを貰った相手があなたのサイトにアクセスしてくれる。

support.google.com

 

 

ポートフォリオサイトを開設しよう 

ポートフォリオとは財産目録の意味。

デザイナーやイラストレーターにとっては作品集であり、投資の世界では保有している株・不動産・証券などの商品組み合わせ一覧を指す。

ここでは、あなたの経歴や実績や技術を一覧できる自己紹介サイトの意味。

 

最初は無理に独立したHPを作る必要はない。

文筆家なら無料ブログnote、イラストレーターならpixiv、動画製作者や芸人ならYou Tube、といった具合に既存プラットフォームのアカウントでももちろん十分だ。

とにかく、あなたの活動に興味を持った人がいつでも作品を見てもらえる状況になっていれば何でもいい。

 

活動当初は、見ず知らずの人からのアクセスを稼ぐことはあまり意識せず、それよりも周囲にあなたの本気度をアピールするためにHPを使おう。

 

サイトを構えるだけでも、あなたの身の回りの人間は

「あ、この人は本気で〇〇業に取り組んでいるんだ」

と認識してくれるし、その分ちょっとした仕事や依頼が回ってきやすくなる

 

 

もちろん、当初思っても見なかった人・業界からの依頼が来ることがある。

最低限の自己紹介と連絡先情報、仕事の価格設定や依頼条件は明記しておこう。

 

 

名刺を作成しよう

まず名刺には、ポートフォリオサイト作成と同じく、本気度を周囲にアピールする力がある。

 

ただし、渡した名刺は読まれないのが基本なので、作成するときは本当に伝えたい情報だけをシンプルに乗せる。

実績を積むまでは程々のクオリティにしておく。記載するのは名前と所属、電話番号とメールとHPのアドレスだけで十分だろう。

むしろ学生の分際でこだわった名刺は、不愉快にとられる危険性さえある。

 

では名刺の意味はなにかといえば、最大のメリットはイベントや親睦会で知り合った人の連絡先を合法的に入手できる点にある。

交流会などで名刺をもらったら、その日のうちにお礼メールを出しておくこと。

(もちろん署名欄からあなたのSNSやポートフォリオサイトにアクセスしてもらうため)

 

アスクルなら、特別なデザインソフトやスキルがなくとも、ブラウザ上で任意のデザインを作成できる。

 

spc.askul.co.jp

こだわらなければ、100枚印刷しても1000円未満。

翌日にはケース付きで発送してくれる。

 

SNSアカウントを開設しよう

SNSは知人や友人にポートフォリオサイトを見てもらう重要な手段だ。

無理な押し売りは厳禁だが、自分に縁のある人・ありそうな人に対して さり気なくアプローチできる。

個人名のアカウントとは別に、業務用のアカウントを作成しよう。

 

一度友達・フォロー・フォロワー関係になれば、オンライン上での知り合いや久しく合っていない友人、同業他者とのコミュニケーションにそれとなく近況を報告できる。

 

また、イラストレーターや漫画家に顕著だが、同業者同士でSNSの交流が活発な業界は、その仲間にも入れてもらおう。

ファンのおすそ分け、業界情報共有、自分の強みや比較優位の自覚など、メリットは多い。

 

 

STEP3:いろんな人に声をかけよう

ある程度実績が溜まってくれば、自分から仕事の依頼を探しにアプローチしたり、見知らぬ人からの依頼を受けることも視野に入ってくる。

 

業界人と知り合いになろう

以前も書いたとおり、各業界の

  • レクチャーイベント
  • 展示会
  • トークイベント

後にある交流会・懇談会は、学生が業界人と接触できる貴重な機会である。 

あるいは学生という立場を最大限活かし、直接あこがれの人に会いに行くのも手だ。

www.gakka-gokko.com

 

 

あなたが自分の師匠や先輩、あるいは就職先を探しているのならば、積極的に相手の縄張りに飛び込もう。

 

一度あった人と、仲良くなろう

 知り合った人と話をするだけでも、視野の狭い学生にとっては大きな刺激になる。

けれども、話が弾んだ相手ならば、より懇意になって今後も親睦を深めたいところ。

 

まず、会話の段階で名刺交換や、SNSでのフォローや友達申請で、連絡手段を確保しておく。

その上で、あったその日の晩や翌朝にお礼のメールを送ろう。

 

この段階で、ある程度親密な関係を築けたと判断した時は

  • 今日は短い時間でしたが、お二人に設計や進路についてご指導いただけてとても光栄でした。今後も業界についてわからない点が出た際、改めてメールにてご相談してもよろしいでしょうか?
  • 近々もう一度近くを訪れる予定があります。その際に、今日の話題に登った貴社の取り組みについて、より詳しいお話をお伺いできる機会はありますでしょうか?

など、次に話す機会を作るためのきっかけの構築を図ってもいいかもしれない。

(もちろん皆一様に忙しい人達だろうが、学生に頼られたいと思っている大人はけして少なくない。)

 

だいたい勉強会や親睦会に参加するメンツというのは固定メンバーが多いので、頻繁に顔を出しつつこまめに連絡を取れば、学生でも社会人の友達を作るのはそれほど難しいことではない。

 

 

*1:水野学『good design company 1998-2018』誠文堂新光社,2018,p29

*2:二川幸夫編著『藤本壮介読本』ADAエディタトーキョー,2011,p51-52